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野狐喫茶の楓ちゃん

【 野狐喫茶の楓ちゃん 】 記事一覧

#1

野狐喫茶の楓ちゃん

 わっちは楓、野狐の楓じゃ。

 ちょっと前まではその日暮らしをしていた妖狐の端くれじゃ。

 そんなわっちだが、この度人里で喫茶店を開くことになったのじゃ。

 店の名前は「野狐喫茶」

 まんまじゃな。

 まあ細かい事は気にするな、なのじゃ。

 場所は周囲を山に囲まれた田舎町の一角、いちおう駅近を選んだつもりじゃ。いちおうな。

 店構えも、まあそれなりじゃろう。

 見た目、倉庫をりふぉーむしたかのような小洒落た現代建築で、店内にはこだわりの ふぃんらんど製、そーぷすとーん造りの大型蓄熱式薪すとーぶを備えておる。

 おしゃれなうえ寒い冬も無問題じゃ。

 まあ今はもう春真っ盛りなので、単なる店内を飾るおぶじぇと化してしまっているがな。

 あー、勿論えあこん完備で夏も右に同じじゃから安心してな。

 他には、よんけー対応なるぷろじぇくたーや複数の薄型てれびじょんを有しており、ぱぶりっくびゅーいんぐ的なのも可能じゃ。 

 そこ、心配せんでもちゃんと映るぞ。

 当店はちじょーはの他にびーえすやしーえすも映るのじゃ。

 それに今は いんたーねっと っちゅのでもいろいろやっとるみたいじゃから、それにも対応じゃ。

 凄いじゃろ。

 無論、車社会の田舎を考慮してしっかりと駐車場も完備しておる。

 完璧じゃな、抜かり無しじゃ。

 そんなわけで野狐喫茶の開店なのじゃ。

 今後ともご贔屓に頼むのじゃ。


※これはフィクションです。
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#2

野狐喫茶の楓ちゃん

 先日、喫茶店【野狐喫茶】を開業した野狐の楓じゃ。

 親しみを込めて「楓ちゃん」と呼んでもらって構わないのじゃ。

 さて、今回はわっちがなぜ喫茶店を始めるに至ったのかを話すとするのじゃ。

 それはある日突然舞い降りた幸運がきっかけじゃった。

 端的に言うと当たったのじゃ、すぽーつくじが。しかも大きいやつじゃった。きゃりーおーばーもしておった。

 かくして大金を手にしたわっちは考えたのじゃ。

 この金どうしよう、と。

 まず浮かんだのは、この金で人生ならぬ狐生を謳歌しよう、じゃった。

 だが、わっちはすぐにそれを脚下した。

 人間ならいざ知らず、野狐で妖狐のわっちの寿命は長い。かなりの大金なのは認めるが狐生を満たすには心もとない金額じゃと思ったのじゃ。

 そこで考えたのが、店でも始めるか、じゃった。

 何処ぞのじじい曰くの「授人以魚 不如授人以漁」みたいなやつで、一時の満腹のために金を浪費するのではなく、金を稼ぐ元手にこの金を使おうと思ったわけじゃ。

 ふふん、どうじゃ? けっこう賢いじゃろ。まあ、わっちは出来る狐じゃからな、出来る狐じゃからな。

 で、喫茶店を開くことにしたわけじゃ。

 ん?

 なぜ店は店でも喫茶店を選んだのか、じゃと?

 それは……まあアレよ……。

 なんとなくじゃ!

 なんとなくグダグ……まいぺーすで金稼げるかな、と思ったのじゃ。

 いや、別に喫茶店経営をナメてるとか、そういうのはないからな。

 アレよ、アレ……天啓! そう天啓的なやつじゃよ。ピピッと来たね、天啓。

 それにじゃ、わっちてば、きゅーと な れでぃー じゃから集客には困らんと思うし、けっこう向いてると思うのじゃよね。

 無謀ってわけでもないので厳しいツッコミは無しにしてほしいのじゃ。

 ま、でも――――

 かくいうわっちがこんな話しとるのは、店に客が一人も居らずに暇してるからだったりするんじゃけどな。

 おかしいな〜、なんで暇なんじゃろうな〜、きゅーとなわっちがおるのにな〜。
 
 

※これはフィクションです。

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#3

野狐喫茶の楓ちゃん

 今日も今日とて暇……ではないが、時間に余裕があるので、わっちの愛車でも紹介しようかの。

 わっち自慢の愛車は優れた走破性とイモ臭いふぉるむが美しい、農道のぽるしぇじゃ。

 やっぱ田舎で軽トラは最強じゃよな。

 維持費安いし積載量が多く小回りが効くもんなー。

 冬場に使う薪集めでも活躍しそうだしなー。

 なに? 免許持ってるのか、じゃと?

 ふふん、出来るきつねのわっちはばっちり持っておるよ。

 ちゃんとヒトに化けて教習所に通ったから本物じゃよ。

 なんやかんやで車の免許は持っていて損はないからのお。ちょっと前に取っておいたのじゃよ、かかかっ。

 ふーむ、こんな話していたら、どらいぶにでも行きたくなってしまうなー。

 客もぜんぜん来ないことだし、行ってしまおうかなー。

 暇じゃなー。
 
 

※これはフィクションです。

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#4

野狐喫茶の楓ちゃん

 今日も今日とて暇じゃ……ないが、今は暇と言えなくもないので、わっちの愛車でも紹介しようかの。

 わっち自慢の愛車は優れた走破性&耐久性とイモ臭いふぉるむが逆におしゃれな、すーぱーかぶ50じゃ。

 車社会の田舎に於いて、ちょっとあそこのコンビニまでみたいな、お手軽な脚として大活躍じゃ。  

 積載量も多いし、何より自動車免許で乗れるの良いよな。

 からーは当然ながらいえろーじゃ。何せわっちはきゅーとなきつねじゃからな。

 あー、でも三十きろ制限はたまにしんどいなー。たまに煽られるもんなあー。

 二段階右折は田舎じゃとあんま気にならんけど、三十きろ制限はなー。

 どうにかならんかなー。

 それにしても、今日もぜんぜん客来ないなー。

 暇じゃなー。

 昨日も似たような事を言っていた気がするなー。

 でも、気のせいじゃよなー。

 暇じゃなー……。



※これはフィクションです。

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#5

野狐喫茶の楓ちゃん

 今日も今日とて暇じゃないが――――

 いや、暇じゃ!!!

 どうなっておるのじゃ、なぜ客が来ぬ!?

 まだ一度も客に珈琲を淹れておらぬぞ。

 大金はたいて購入した えすぷれっそまっしーん も、練習を兼ねて試しに淹れてみて以降、洗浄以外で可動しておらぬぞ。

 なぜじゃァァァァァァー!?





 ――――というわけで、流石のわっちも経営危機を意識せざるを得なくなったので、真面目に集客を考えることにしたのじゃ。

 つっても、どうしたもんかのー。

 何をすればいいんかのー。

 びら配りとかかのー?

 でもなー、わっち自身びらなんぞ貰ってもごみ箱に直行してたりするし、配ってもごみにしかならんと思うしのー。

 資源の無駄だしのー。

 面倒いしのー。

 うーむ……。

 やっぱり今どきは えすえぬえす かのー。

 そうじゃよのー、手軽に始められるもののー。

 うむ、取り敢えず ついったー と いんすた あたりから手をつけてみるかのー。

 そうじゃのー。

 じゃあ、その前に珈琲でも一杯飲もうかのー。

 

※これはフィクションです。

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#6

野狐喫茶の楓ちゃん

 野狐喫茶の楓ちゃんじゃ。
 喫茶店をやっておるぞ。
 現在、常連客を募集中じゃ。
 今来店の方はもれなく常連客の権利をげっと出来るのじゃ。
 挙っての来店お待ちしてますのじゃ。



 ふむ、取り敢えずついったーはこんな感じで呟いていけばよいかの。

 いんすたの方は適当にいんすた映えしそうな写真をあっぷしていけばよさげじゃし、楽勝じゃな。

 ついでにお店のふぇいすぶっくも始めたし抜かりはないのじゃ。

 これで野狐喫茶の名声も世に広まるであろうさ。

 さすがはわっちじゃ、出来る狐じゃな。

 ふいー、これから忙しくなりそうじゃなー。
 

※これはフィクションです。
 

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#7

野狐喫茶の楓ちゃん

 野狐喫茶……

 相変わらず暇じゃ。

 えすえぬえす効果、未だ見えずなのじゃ。

 というわけで、新たな一手を打つことにしたのじゃ。

 野狐喫茶兼自宅としている店舗の脇には乗用車が三四台停められそうな余剰すぺーすがあるのじゃ。

 後々ちょっとした菜園にでもしようかと思っていた場所じゃ。

 この度わっちは此処にでぃーあいわいで小屋を建てる事にしたのじゃ。

 菜園を諦める事になるのじゃが、まあ仕方がないのじゃ。

 お店が潰れてしまっては元も子もないからの。

 なに? 小屋なんか建ててどうするのか、じゃと?

 そりゃ、出来てからのお楽しみじゃよ。

 乞うご期待というやつじゃな。

 

※これはフィクションです。

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#8

野狐喫茶の楓ちゃん

 小屋を建てておるのじゃ。

 野狐喫茶の脇にある余剰すぺーすに建てておるのじゃ。

 広さにして畳ニ枚分にも満たない小さな小屋じゃ。

 基礎部分は既に作り終えて、これからいよいよ小屋本体に取り掛かろうとしておるところじゃ。

 愛車である農道のぽるしぇを駆使してホームセンターで買ってきた木材を、つーばいふぉーで組み上げようと思っておる。

 小屋作り、

 けっこう重労働でしんどいのじゃが頑張るのじゃ。

 これも商売繁盛のためじゃからのー。

 そんなこんなで野狐喫茶――――――

 本日は休業じゃ!
 


※これはフィクションです。

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#9

野狐喫茶の楓ちゃん

 それはいつものように小屋作りの続きをすべく、野狐喫茶傍らにある余剰すぺーすへと足を運んだ時じゃった。

 何処からともなくわっちの耳にそれは届いたのじゃ。

 みゃあ、みゃあ……みゃあ……。

 それはか細い声じゃった。

 わっちは思わず聞き耳を立てたね。

 しかもきゅうとな狐のもふ耳をね。

 わっちは狐で耳が良い。

 ゆえにすぐに声の出処は判明したのじゃ。

 声は小屋の資材が無造作に置かれた、余剰すぺーすの隅っこから聞こえておったじゃった。

 わっちは忍び足で近づいて、声のする資材の陰部分を覗き込んだのじゃ。

 するとそこに、黒い毛玉が蹲っておった。

 それは小さな小さな毛玉で、それこそわっちの手のひらに乗ってしまいそうなほどじゃった。

 わっちは毛玉に向かって言ってやった。

「こりゃ、ここはわっちの縄張りじゃ。出て行ってくれんかの」と。

 毛玉がわっちに気付いて顔を向けた。砂まみれの顔じゃった。

「迷惑じゃから出て行ってくれんかの」

 わっちはもう一度言った。

 すると毛玉は有ろう事か、よちよちとわっちに向かって歩いて来よった。

 みゃあみゃあと一層声を張り上げてすり寄ってくる黒い毛玉。

 わっちは思わず後ずさりしてしまった。

「わ、わ、わっちは狐じゃ! それ以上近づいたら喰ってしまうぞ!」

 猫なんぞに好かれたら狐の名折れである。わっちは些か声を張り上げて威嚇してやったのじゃ。

 じゃが毛玉のやつは意に介さないのか、はたまた言葉の意味がわからないのか、歩みを止めずに近づいてくると、わっちの足先にしがみついて来よったのじゃ。

 つぶらな瞳で見上げながら、みゃあみゃあ泣きわめく黒い毛玉。まだ足腰が弱いのか、滑り落ちそうになりながらわっちの足に何度もしがみつこうと前足を伸ばして来よるから、足先がこそばゆかった。

 暫くしたら飽きるかと思い放って置いたが、毛玉のやつめ、一向にその気配を見せなかったのじゃ。

 仕方がないのじゃ。

 根負けしたわっちはそっと毛玉のやつをすくい上げてやったのじゃ。

 決してしがみつこうとする毛玉の力が段々と弱くなってきていた気がしたからではないのじゃ。

 わっちはそんなにお人好しな狐ではないからな。

 飽く迄も根負けしたからじゃ、毛玉のやつがしつこかったからじゃからな、勘違いしないでほしいのじゃ。



――――こうしてわっちは動物病院を探す羽目になってしまったのじゃ。

 やれやれなのじゃ。

 そんなわけで、小屋作り、一時中断なのじゃ。



※これはフィクションです。

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#10

野狐喫茶の楓ちゃん

 黒い毛玉を連れて動物病院に行って来たのじゃ。

 なぜゆえ狐のわっちが動物病院などに行かねばならんのか。

 不愉快じゃ、実に不愉快じゃったのじゃ。

 む、毛玉のやつはどうなったのか、じゃと?

 生意気にも今はわっちの膝の上で鼻ちょうちんを膨らませておるのじゃ。

 狐のわっちを寝床にするとはいい度胸なのじゃよ。

 本当に喰らってやろうかの。

 ………………。

 ………………。

 ………………。

 まあ良いのじゃ。

 獣医がいうには健康みたいじゃし、先程風呂に入れて汚れも落としたし、大人しくしているようであれば、邪魔にもならんしな。

 それにどうせ喰うなら、まるまる太らせてからの方が良いじゃろうしな。

 仕方ないのー、後できゃっとふーどでも買いに行くとするかのー。

 そうじゃ、名前もつけてやらねばのー。



※これはフィクションです。

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#11

野狐喫茶の楓ちゃん

 また毛玉のやつは気持ち良さそうにわっちの膝の上で眠っておるのじゃ。

 わざわざ専用のベっどまで買ってやったというのに、何故かいつももぞもぞとそこから這い出てきては、わっちの膝の上によじ登って来るのじゃ。

 生意気なのじゃ。

 ……まあ良いのじゃ。

 わっちはいちおう出来た大人じゃからのー。

 幼子の粗相の一つや二つくらい目を瞑れる器量を持ち合わせているからのー。

 ともあれ――――

 猫用品……意外と出費が嵩んだのじゃ。

 喫茶店経営が滞っておるというのに、なんとも傍迷惑な話なのじゃ。

 くぅー、よもやおぬし、黒猫だけに、わっちに不幸を届けに来たのではなかろうな?

 呑気に眠る毛玉にひとり愚痴を零してみるも、返ってきたのは「すぴぃー」という寝息だけじゃった。

 ほんと生意気なのじゃ。

 うーむ……ならばこうしようではないか。

 おぬしの名前は今から「福」とするのじゃ。

 幸福の福。

 ふふんっ、どうじゃ?

 不幸を届けに来たのに幸福な名前をつけられて悔しかろう。

 福よ、わっちは出来る狐ゆえ、おぬしの思い通りにはならんのじゃよ、かかかっ。

 言っておくがおぬしに拒否権はないからの。

 なにせ野狐喫茶(ここ)の主はわっちで、おぬしはここの居候なのじゃからな。

 主の命は絶対なのじゃよ。

 ふんっ、ざまあみろなのじゃ。


――――そんなわけで、黒い毛玉の名前は福に決まったのじゃ。



※これはフィクションです。

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#12

野狐喫茶の楓ちゃん

 福のやつはすくすくと育っておるのじゃ。

 先日はついにひとりで といれ を済ませる事が出来るようになり、着実に大人の階段を登っておる感じじゃ。

 あ、そうそう、性別も判明したのじゃ。

 なんと福ちゃんは女の子だったのじゃ。

 ふむ、つまりはわっちの妹分というわけじゃな。

 これはみっちりと れでぃー としての振る舞いを叩き込んてやらねばのー。

 ともあれ、福ちゃんのお守りも一段落ついた事だし、また小屋作りを再開せねばのー。

 でも一度中断すると気乗りしないよのー。

 まあ、あと一踏ん張りじゃし頑張るかのー。

 ………………明日から。

福「にゃう!」

 そうじゃよなー、福もそう思うよなー。

 福が言うなら仕方ないなー。

 今日はのんびりしようなー。



※これはフィクションです。

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#13

野狐喫茶の楓ちゃん

 さて、随分と予定が狂ってしまったが、小屋作りを再開したのじゃ。

 木材を切り、防腐剤を塗って乾かして、組み立てているのじゃ。


 のこぎりぎーこぎーこ♪

 いんぱくとでぎゅいーん♪

 にゃんこに見守られ小屋作り〜♬

 こんこん、こここん、小屋作り〜♬


 そんなこんなで大まかなところが出来上がったのじゃ。(まあ、そんなこんな……けっこう道程は長かったけどな……。)

 さて、次は塗装じゃな。

 塗装が済めば、いよいよそれっぽくなると思うのじゃ。

 同時にわっちが小屋をどうするつもりなのかも解ると思うのじゃ。

 だから、あれじゃな――――

 今日はもう作業を終えるべきじゃなー。

 引きって大事じゃものなー。

 別に疲れたからじゃないからなー。

 盛り上げるためじゃからなー。

 わっちは一体何を盛り上げたいんかなー。

 疲れてるなー。

 休むかー。 



※これはフィクションです。

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#14

野狐喫茶の楓ちゃん

 小屋に色をつけたのじゃ。

 刷毛でせっせと塗って朱に染めたのじゃ。

 うむ、やはり色がつくとそれっぽく見えるのー。

 我ながら自分で自分を褒めてやりたくなる出来なのじゃ。

 まあ、ぶっちゃけ近くに寄ると斑になっているところがちらほら目につくけどなー。

 でも細かいことは気にしないのじゃ。

 ゆうてもわっち、素人じゃしな。

 ふふん、それよりもじゃ――――

 わっちがこの小屋を何に使おうとしているのか、解ったかの?

 ふむ、そうじゃな、解るよな。

 朱色の小屋とくればもう、あれしかないものな。

 そうじゃよ、わっちが作っておったのは、稲荷神社の社じゃよ。

 やっぱり商売繁盛と言ったら稲荷神社じゃろ。

 店の脇に作ればご利益は間違いないのじゃよ。

 これで野狐喫茶が客で溢れかえるのは間違いないのじゃ。

 安泰じゃな。

 さてと、概ね社は完成したことだし、あとは伏見のところから御霊分けしてもらうだけじゃな。

 でもその前に、社まわりをもっと綺麗にせねばなー。

 土が剥き出しの地面だったりするものなー。

 あと、鳥居とかどうしようかなー、作るの大変そうだしなー。

 まあその辺は考えるのも含め、明日以降でよいかー。

 今日はもう疲れたし、福のやつでももふりながら休むかのー。



※これはフィクションです。

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#15

野狐喫茶の楓ちゃん

 小屋改め社の周りを整備しているのじゃ。

 鳥居作りは はーどる が高そうだったので諦めて、代わりに柱を二本立てて、その上の方にしめ縄を掛けた簡易的なやつでお茶を濁したのじゃ。

 まあ本格的なやつは後々気が向いたらどうにかするのじゃ。

 ともあれじゃ。

 ふむ、これで後は土が剥き出しの地面をどうにかするだけなのじゃ。

 とりあえず除草しーとを敷いて砂利を敷き詰めればそれっぽく見えるかのー。

 おっと、社へのあぷろーちに敷石も必要かの。

 やれやれ、また農場のぽるしぇで ほーむせんたー に行かねばならぬわ。

 軽い気持ちで始めたが、思っていたよりもいろいろ大変じゃな。

 でぃーあいわい、恐るべしじゃ。


 ――――そんなわけで、今日も野狐喫茶は臨時休業なのじゃ。



※これはフィクションです。

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#16

野狐喫茶の楓ちゃん

 社関連じゃが、敷地整備も完了したのじゃ。

 玉砂利を敷いて、敷石を社前まで並べて、いろいろ大変であったが完成なのじゃ。

 てってれ〜♪

 あとは本当に御霊分けだけじゃ。

 予定を開けて伏見にまいらねばのー。

 まあ当分の間、碌に予定なんぞ無いから、いつでも行けるんじゃがの。

 結局はわっちの気分次第じゃな。

 うーん、どうするかのー。

 ま、たまには喫茶店を開かねばならんし、来週にするかのー。

 そうじゃな、来週じゃな。

 じゃあ店の準備するかのー……明日は。



※これはフィクションです。

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#17

野狐喫茶の楓ちゃん

 久々……というわけでは決して、決してないが、本日は野狐喫茶営業中じゃ。

 そして、相変わらず暇じゃ……。

 稲荷神社が完成していない事を差し引いても、まだまだ改善せねばならぬ事があるんじゃろうかの。

 うーむ……野狐喫茶躍進のためのさらなる一手……。

 何かないかのー……。

 頭を抱えていると、店内と自宅部分を遮るドアの向こうから「にゃ〜」と福に声をかけられたのじゃ。

 時計を見ると飯の時間じゃった。

 福のやつめ、一端に飯の催促など覚えおって。居候としての立場を弁えてほしいのじゃ。

 まあでも、食事は大事じゃからなー。

「待っておれ、すぐに用意するのじゃ」

 そう言うとトビラ越しに福が「にゃっ!」と答えた。

 ともあれじゃ――――

 よっこらしょ、と立ち上がりながら考える。

 きゃっとふーども無料(タダ)ではないし、このままでは良くないのー。

 ふーむ、どうしたもんかのー……。

 そこでわっちは思ったのじゃ。

 福にも店に貢献してもらおうじゃないか、と。

 そうじゃな、それが良い。働かざる者食うべからずと言うしな。

 大体、福のやつはわっちの所に勝手に転がり込んできたのじゃから、それが当然だと思うのじゃ。

 こうしてわっちは福の飯の準備を後回しにして、すまーとふぉんに手をかけたのじゃった。



※これはフィクションです。

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#18

野狐喫茶の楓ちゃん

 今日は普段よりもずいぶん早起きをしたのじゃ。

 なぜならわっちはこれから遠出をせにゃならんからじゃ。

 向かう先は、京は伏見。

 そうじゃ、御霊分けしてもらうためじゃ。

 それにしても眠いの―。

 まあ、まだ辺りは薄暗く、東の空が薄っすらと白くなり始めた頃合いじゃからのー。

 とりあえず濃いめの珈琲を飲んで目を覚ますかの。

 ま、と言っても飲むのは いんすたんと珈琲なんじゃけどな。

 喫茶店やっとるんじゃから どりっぷ くらいしろ、じゃと?

 いやだってこれから出かけるんじゃぞ。

 めんどい事したくないじゃろ。

 それに洗い物は最小限にしたいではないか。

 大丈夫じゃ、最近の いんすたん とは れべる高いのじゃ。

 充分に美味いのじゃよ。

福「ふにゃう」

 ん、福よ、なぜそんな残念そうな顔を向けてくるのじゃ? 



※これはフィクションです。

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#19

野狐喫茶の楓ちゃん

 ふむ、ぶらっく珈琲を飲んだら目が覚めたのじゃ。

 かふぇいんぱわーのおかげじゃな。

 さてと、それでは出発するかの。

 福よ、わっちが帰ってくるまで家の事は頼むのじゃ。

福「にゃ〜」

 うむ、では行ってくるのじゃ。

 戸締まりを確認して、いざ行かん、伏見の地へ。

 というわけで、颯爽と農道のぽるしぇに乗り込んで出発するのじゃ。

 えんじんおん♪

 はっしゃおーらい♫

 ――――とその前に、なびをせっとせねば、道がわからぬ……。



※これはフィクションです。

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#20

野狐喫茶の楓ちゃん

 愛車、農道のぽるしぇで京は伏見に向かっておる。

 山間のはいうぇいを爆走中じゃ。

 無論、法定速度は守っておるのじゃ。

 たんに軽とらじゃから、ちょっと飛ばせば爆走している気になれるっちゅう話じゃよ。

 むふふ、それにしても快調じゃ。

 混雑を避けるために平日を選んたのは正解じゃったな。

 こういう時、自営業は良いよな〜。

 会社勤めではこうはいくまい。

 自営業ばんざい!、なのじゃ。

 でもここまで順調じゃと、予定より早く着いてしまいそうじゃな。

 時間に余裕を持って家を出たのが裏目に出てしまうかのー。

 まあ良いかー、京は観光名所たくさんあるものなー。

 暇潰しは幾らでも出来るものなー。

 って、ありゃりゃ!?

 前の車が次々とはざーど付けて止まっていくのじゃ。

 わっちもならって車を止めるしかないのじゃ。

 う〜む……これはどこからどう見ても……渋滞にはまったのじゃ。

 やれやれじゃな。

 そして、あれじゃな……。

 こういう時ってなぜか尿意が催してくるよな……。

 ぴんちじゃ!!!



※これはフィクションです。

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#21

野狐喫茶の楓ちゃん

 ふぃ~……。

 危なかった……危なかったのじゃ。

 どうにか ぱーきんぐ に滑り込めたが、危うくお漏らし狐か、ペットボトルでお花摘みか、の二択を迫られるところだったのじゃ。

 高速道路の事故渋滞恐るべし、珈琲の利尿作用恐るべしじゃ。

 以後、気をつけねばな。

 愛車にあらぬ まーきんぐ とかしたくないからなー。

 おっと、そうのんびりもしていられないな。

 渋滞のせいでだいぶ時間をろすしてしまったからのー。

 早く向かわねばな。

 そんなわけで、車に戻るのじゃ。

 っと、その前に喉が渇いたからお茶でも買っていくのじゃ。

 およ!? あそこでソフトクリーム売っておる。

 どうしよう……あれも買ってくか。 



※これはフィクションです。

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#22

野狐喫茶の楓ちゃん

 んあ~~~~~~~~。

 間もなく到着なのじゃ……。

 長い道のりじゃった……。

 あれよなー、緑茶も飲むとお花摘みに行きたくなるのなー。

 あとソフトクリーム食べ過ぎるとお腹が痛くなるのなー。

 運転席が大惨事になるのではないかと、何度か思う羽目になってしまったのじゃ。

 程々にせねばな。

 まあともあれ数々のぴんちを乗り越えて、間もなく伏見稲荷なのじゃ。

 う~む、懐かしいのー……そして感慨深いのー。

 実はわっち、昔一度来たことがあるのじゃよ、伏見稲荷。

 当時は車なんて便利なものがなかったから、何日も歩いて大変じゃった。

 あの頃のわっちは狐並み(ひとなみ)に稲荷狐に憧れておっての、就職を夢見て訪れたのじゃ。

 でもな……。

 伏見稲荷の稲荷狐と言ったら、それこそ全国の狐たちが憧れる役職で志願者も多くてのー。

 わっちは何の取り柄もない田舎狐ゆえ、お呼びではなかったっちゅうほろ苦い思い出があるのじゃよ。

 ……………………………………………………。

 ――――それにしても……よくよく考えたら滑稽よのー。

 何せあの時排斥されたわっちが伏見稲荷で御霊分けしてもらおうとしておるのじゃからな。

 御霊分けしてもらい稲荷神社を開設する、つまりこれって稲荷支部のおーなーになるようなもんじゃろ。

 わっちを押しのけて稲荷狐になったえりーと達の上につくという事じゃ。

 これを愉快と思わずして何を愉快と思えようか、というやつじゃ、かかかっ。

 狐生(じんせい)とは分からぬものよなー。

 おっと、そうこうしているうちに到着じゃ。



※これはフィクションです。

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#23

野狐喫茶の楓ちゃん

 ふう……。

 なんとか無事に御霊分けしてもらえたのじゃ。

 あとは持ち帰るだけじゃな。

 それにしても、よもや初っ端で稲荷狐の志願者と間違えられ、門前払いされそうになるとは思わなかったな。

 いやまあ、今は募集期間ではないゆえ、分からなくもないけどのー……それにしたってあれはないじゃろうて……。

 むむっ、思い出したらまた腹が立ってきたのじゃ。

 あんの若い稲荷狐め、勘違いとはいえ来訪者のわっちを鼻で笑いおってからに……許せんのじゃ。

 あんな礼儀のなっていない輩が採用されとるとは、最近の稲荷狐はれべるが下がっておるのではないかの。

 ――――まあ良い、目的は果たせたし、また他の狐に勘違いされる前に退散するのじゃ。



※これはフィクションです。

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#24

野狐喫茶の楓ちゃん

 久々に訪れた京の都。

 少々じゃが時間的猶予もあったのでちょこっと観光でもしようと思ったのじゃが……。

 京の市内は、車で周るには不便じゃな。

 余所者には道が分かり辛いし、何処も彼処も駐車料金を徴収されてしまうのじゃ。

 そんな事もあり時間の限られておる今回は、何処かに車を預けて公共交通機関で散策というわけにもいかないので、土産屋で八つ橋と抹茶を買うに留め早々に帰路につく事にしたのじゃ。

 まあ、もともと今回の目的は御霊分けで日帰りじゃし、仕方ないよのー。

 観光はまた今度改めてじゃな。

 ――――と、こうしてわっちは再びはいうぇいを爆走することになったのじゃ。

 あ、ちゃんと法定速度は守っておるよ。

 非力な軽とらじゃから、そんな気になっているだけじゃからな。

 ともあれ、「さらば京都、また訪れるその日まで……」なのじゃ。



※これはフィクションです。

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#25

野狐喫茶の楓ちゃん


 京の都より帰途についておる。

 現在、我が愛車農道のぽるしぇははいうぇいを快走中なのじゃ、現在はな。(先刻まで渋滞に嵌っていた)

 う~む、まだ暫くは運転を続けねばならんのじゃ。

 すっかり辺りも暗くなってしまったが、福のやつは元気にしとるかのー。

 わっちのところに来て以来、あやつは今日みたいに半日以上もひとりでおった事がないからのー。

 寂しがっておらぬかのー。

 ちゃんと飯は食ったかのー。

 自動給餌器をセットしてきたから大丈夫だとは思うが、心配じゃなー。

 早く帰ってやらんとなー。

 早くうちに着かんかのー。

 早く福をもふりたいのー。



※これはフィクションです。

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#26

野狐喫茶の楓ちゃん

 ……何じゃと……うそじゃろ……。

 今わっちは我が目を疑っておるのじゃ。

 京都日帰りの旅を終え、ようやく帰宅し、りびんぐで立ち尽くしておるのじゃ。

 なぜって…………。

 部屋にてぃっしゅぺーぱーが散乱しておったからじゃ!

 しかして、一体何が!?――――とは思うまい。

 何せ犯人は判明しておるからな。

 散乱したてぃっしゅのべっどに包まって黒い毛玉が寝息を立てておるからな。

 福!

 わっちは毛玉に詰め寄った。

福「ZZZzzz……」

 こりゃ! 猫のくせに狸寝入りなどするな!! いつもはわっちが出先から帰ると一目散に飛びかかって来るではないか!!!

福「ZZZzzz……」

 むむ、飽く迄もしらを切るつもりじゃな。

 ならば仕方ない、わっちにも考えがあるのじゃ。

 罰として、もふり地獄の刑に処すのじゃ。

 それ! もふもふもふ!!!!!

福「ふにゃん!?」

 ふふん、今更謝っても遅いのじゃ。

 わっちが満足するまでこのもふりは終わらんからな、覚悟せよ!

福「ふしゃー!!!」

 ぎゃーーー!!! 痛い、痛いのじゃ! 福よ、爪を立てるでない!

福「しゃしゃしゃー!!!」

 済まぬ、わっちが悪かった、やり過ぎたのじゃ!

 許してくりゃれ、福ちゃんや!!!


 ――――――くっ、めっちゃ引っ掻かれたのじゃ……解せん。



※これはフィクションです。

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